Reading 24A (6-8)

6 急な用事で家を何日も空けなくてはいけなくなった場合は、なるべく家にだれもいないのがわからないようにした方が安全です。例えば、留守中の郵便物や宅急便はとなりの人に預かってもらうように頼んでおきましょう。この辺は安全だと思っていたけど、二週間ほど前に近くの神社にどろぼうが入ったそうですか ら、やっぱり気をつけなくちゃいけませんね。 (MP3)

7  先日仕事帰りに東田さんと新橋の喫茶店に寄ってコーヒーを一杯飲んだ時のことですがね、東田さんが財布に一万円札しか入っていないと言ったので、私が代わりに払っておいてあげたんですよ。貸してあげるっていうつもりでね、、。それから毎日東田さんとオフィスで顔を合わせているけど、どうもそのことを忘れ ているみたいで、お金をかえしてくれないんです。そんなこと言いにくいし、まあ、ほんの400円のことですから、かまわないんですけど、前にも同じようなことがあったのを思い出しちゃって、、、。ちょっと気になるんですよねえ。 (MP3)

  私の初恋は小学校の5年生の時です。初めて彼を見たのは、九月の学校の校庭でした。秋の運動会の練習をしていた時だったと思います。彼は友達とキャッチボールをして、ほかの子たちが校庭に集まるのを待っていました。普通の子より少し背が高くて、顔がすごく日焼けしていて、ちょっとかっこいい子だなと思い ました。その時は彼の名前も知りませんでした。それから、時々学校で彼を見るようになりました。彼のことはすごく気になっていたけど、なんだか恥ずかしかったので、彼への気持ちはだれにも言いませんでした。

  彼の家は私の住んでいる団地から、ほんの2、3分のところにありました。私は彼が学校から帰るのを道で待っていたこともあります。でも、彼が近づいて来ても、恥ずかしくて自分から話しかけることはできませんでした。そのうちに偶然に、私の友達が彼と同じ音楽部に入っていることがわかったのです。それから は、時々友達を探しに行くふりをして音楽室に行き、少しずつ彼と話すようになりました。

  私が小さかった頃は、この辺はまだ田んぼが多く残っていて、でこぼこ道がたくさんありました。時々学校から帰ってから、彼といっしょにかえるや虫を探しに行きました。彼とは、まんがの話やそのころ流行っていたテレビ番組のことや学校でその日にあったことや、色々なことを話しました。

  六年生になって、同じクラスになった時は、すごく嬉しかったのをよく覚えています。その年の桜はいつもよりももっとやさしい色だったような気がします。春が終わり、夏が来て、休みに入ってからも、彼とは時々図書館で会って一緒に夏休みの宿題をやりました。そのことは私はだれにも言いませんでした。彼も同じ だったと思います。彼には仲のいい友達がたくさんいたけど、私のことをだれにも言わないでいてくれることが、どうしてかわかりませんが、私にはとても嬉しかったのです。

初 恋というのは、たいてい悲しい終わりがくると、私はなんとなく予期していました。ハッピーエンドはまんがや映画の中だけ、、。現実にはやっぱり別れが来るのだと思っていたのです。別れと言えるほど恋をしていたかどうかわからないけど、彼と会えなくなったのは、その年の冬でした。彼はクリスマスの前に急に大 阪に引っ越すことになってしまったのです。その時には詳しく知りませんでしたが、引っ越すことになった理由は、ご両親の離婚だったようです。最後に彼と会った時、彼は新しい住所を書いた青のカードをくれました。初めて彼を見た時の九月の空の色と同じ色でした。

  彼 が大阪に行ってしまってから、一度か二度、手紙を書いたかもしれません。どうしてもっと連絡しなかったのか、自分にもわかりません。でも、悲しい恋の歌を聴いたときは、いつも自分の彼への気持ちを歌に重ねていました。別れた人と再会するストーリーを読んだ時は、自分にもそういう日が来ると夢見ていました。 それからもう何年も過ぎました。今でも、時々彼のことを思い出すことがあります。今彼がどこにいるのかも、何をしているのかも知らないけど、いつか二人の道が交差する時があるかもしれないと思うのです。 (MP3 - 2.4MB)